中学生のグループ間の地位といじめ被害・加害の関係性の検討

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タイトル別名
  • Investigation into the relationships between Inter-peer group status and victimization/bullying among Japanese middle school students
  • チュウガクセイ ノ グループ カン ノ イジメ ヒガイ カガイ ノ カンケイセイ ノ ケントウ

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抄録

資料

「スクールカースト」はいじめの原因であると教育評論家から指摘されているが、実証的な知見が不足しているのが現状である。そこで本研究では、日本の中学生(N=2,384)を研究協力者とした質問紙調査によって、所属するグループの地位が学級内で中心的か否かという視点から「スクールカースト」といじめの関連を検討した。質問紙では、友だちグループ間の地位、いじめ被害・加害をすべて自己報告によって測定した。分析の結果、グループ間の地位といじめ被害・加害の一部の項目で有意な関連を示したが、関連性の程度は非常に小さいものであった。つまり、自分のグループは中心的か否かと思うという視点で「スクールカースト」といじめの関係を検討した場合、これまで指摘されてきた「スクールカースト」といじめの関連は本研究の実証的調査からは殆どみられないということが示された。この結果をふまえ考察では、なぜグループ間の地位といじめの関連性がみられなかったかについて、いくつかの可能性を挙げながら議論した。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 19 14-21, 2019

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

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