膀胱癌に合併した内分泌細胞癌混在癌と腺癌の同時性多発胃癌の1例

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抄録

症例は74歳、男性。膀胱癌精査中に、上部消化管内視鏡検査で、胃噴門部大彎に3型腫瘍と前庭部前壁に0-Ⅱa型腫瘍を認めた。CEA、AFP、CA19-9は正常であった。多発胃癌の診断で、脾合併胃全摘術、D2郭清を施行した。病理組織学的検査所見で、3型腫瘍は潰瘍周囲の粘膜には管状腺癌や乳頭状腺癌を認め、垂直方向浸潤部には髄様充実性の低分化腺癌を認めた。固有筋層を中心に、CD56、synaptophysin陽性、chromogranin A陽性の内分泌細胞癌と漿膜下層には低分化腺癌を認め、多彩な像を呈した。前庭部には2病変を認め、いずれも高分化腺癌であった。リンパ節転移はすべて低分化腺癌であった。胃内分泌細胞癌と腺癌の多発胃癌および膀胱癌の重複癌というまれな疾患を経験したので報告した。

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