若年者に発症した尿管肉芽性ポリープの1例

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タイトル別名
  • A case of granulomatous polyp of ureter

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抄録

症例は26歳の男性。4ヶ月前に右尿管結石を指摘された。肉眼的血尿を主訴に受診。静脈性腎盂造影ならびに造影CTで右腎盂尿管移行部から上部尿管に4cm大のミミズ様の陰影欠損を認めた。形態的には尿管ポリープであったが右尿管腫瘍も否定できなかったため、硬性尿管鏡検査を施行した。肉眼的には表面平滑な有茎性ポリープが存在していた。生検の結果は線維組織であり、分腎尿細胞診は陰性であったため、良性の尿管ポリープの診断にて経皮的手術で腫瘍を切除した。病理学的所見は肉芽組織であり腫瘍性病変は認められなかった。また、尿路上皮による被包化はなく、真菌・細菌染色でグラム陽性球菌の存在が確認された。以上より最終診断は尿管肉芽性ポリープであった。尿管ポリープは線維上皮性ポリープが一般的であるが、本症例のように肉芽組織のみで構成されることは極めてまれであり報告する。

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