民俗芸能「杉沢比山」翁衣装の材料と技法に関する調査・研究

書誌事項

タイトル別名
  • ミンゾク ゲイノウ 「 スギ サワヒサン 」 オウ イショウ ノ ザイリョウ ト ギホウ ニ カンスル チョウサ ・ ケンキュウ
  • A Study of the Materials and Techniques of Okina Costumes Used in the Performing Folk Art “Sugisawahiyama”
  • ミンゾク ゲイノウ スギサワ ヒヤマ オキナ イショウ ノ ザイリョウ ト ギホウ ニ カンスル チョウサ ケンキュウ

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抄録

日本の民俗芸能研究が始まったのは近代以降のことであり、特に衣装についてはほとんど研究がされていない。 また古い時代の形を維持・継承されなかった衣装が多く、今後芸態に影響を及ぼす可能性が指摘されている。  本研究では、山形県「杉沢比山」の演目「翁」の古い衣装の技法・材料の解明を目的とした分析調査を行った。 その結果、織物は五枚繻子の緞子で、身頃部は8色の緯糸(うち1色は平箔糸)と2色の経糸、袖部は5色の緯 糸(うち1色は平箔糸)と2色の経糸からなることが分かった。科学検査の結果、染料は藍や鬱金のほか、緑系 色は藍と黄檗の重ね染めであった。媒染剤は鉄と明礬(アルミ)のほか、無媒染とみられるものもあった。平箔 糸は身頃部が錫箔、袖部は真鍮箔であった。身頃部の織物は錫箔が用いられたことから、江戸後期頃に京都で製 作されたと考えられ、袖部の織物は文様に中国的要素が看取されることから、中国製と推測される。

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