慢性播種性血管内凝固症候群に少量トラネキサム酸内服が有効であった高齢慢性腎臓病患者の2例

抄録

大動脈瘤や大動脈解離に慢性播種性血管内凝固症候群( Chronic Disseminated Intravascular Coagulation syndrome: 慢性DIC )が合併することはこれまでにも報告されている.一方,その根治的 治療法は外科的治療が原則となるが,超高齢社会へと突入した現在,手術適応とならない症例も多く なり,併発した慢性DIC に対する治療に抗凝固療法や抗線溶療法を選択せざるを得ない状況になるこ とも少なくない.今回,慢性DIC を合併した大動脈瘤や大動脈解離に抗線溶療法であるトラネキサ ム酸の単独治療が有効であった高齢慢性腎臓病( Chronic Kidney Disease: CKD )患者の2 例を報告 した.トラネキサム酸内服は,手術療法が適応とならない患者に対し,QOL 維持を目的に考慮すべき 慢性DIC 治療選択肢のひとつになり得ると考えられた.

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