遠隔授業を利用した「対人関係の心理」の授業展開

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Psychology of Interpersonal Relationships Using Remote Teaching

抄録

COVID-19のため政府より自粛要請を受け,本学でも2020年前期に急遽,遠隔授業を行うことになった.Google Classroomを採用し短期間の準備で5 月に授業を開始した.著者は色彩と心理という視点から対人関係を考える授業を担当している.本研究では,西口担当の4 回の授業後に履修学生約100人の学生へのアンケートによる調査を行った.また,学生らに出した課題(マスク,花火,アマビエ)への提出状況,反応と合わせて考察した.さらに,Google Classroomシステムの遠隔授業と対面授業での大人数授業での有効性について評価した.その結果を以下の4点にまとめる.1. 提出状況,熱中度そして感想からコロナ禍での身近なテーマ(マスク,花火,アマビエ)に対する学生の取り組みはよかった.2. 学生コメントから色の見方が変わった(対人と色の関係,今後の生活や専門領域へ生かす)とあり,学習の目標が達成できたと言える.3. 意見の発表がほぼすべての学生でできた.4. Google Classroomの利用によって,学生だけでなく教員は提出がどうなっているかをコンピュータやスマホで確認できる.学生らの自己管理がしやすい.遠隔での課題の提出状況の把握がビジュアルで学生らが確認できる. 資料を配信,課題作成,クイズ作成のために対面の授業でもGoogle Classroomを取り入れることは有効である.しかしながら,課題によっては自動採点システムを使うことが難しく特に大人数のクラスでは教員の負担は依然として減らない点が残る.意見交換においては,全員が意見を出すことは対面では難しいが,Google Classroomを利用することでほぼ全員が意見を出すことできた.今後は,より活発な意見交換へと誘導していく必要があると考える.

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