ナイチンゲール病棟の設計思想とプライバシー ―時代背景にみるプライバシーの捉え方-

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タイトル別名
  • Design Philosophy and Privacy in Nightingale Ward -People's perception of privacy in the historical context-
  • ナイチンゲール ビョウトウ ノ セッケイ シソウ ト プライバシー : ジダイ ハイケイ ニ ミル プライバシー ノ トラエカタ
  • Design Philosophy and Privacy in Nightingale Ward

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抄録

120007044632

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【要旨】著者らは,看護学生を対象にナイチンゲールが考案したナイチンゲール病棟に関するイメージ調査を行った結果,患者のプライバシー確保に関して否定的な回答がみられた.そこでナイチンゲールがプライバシーをどのように捉えているかを,ナイチンゲール著作集で確認すると,看護師側のプライバシーについてのみ記述され,患者側のプライバシーを守ることについての記述はなかった.そこで,ナイチンゲール病棟が提唱された 1860 年代からの英国文学作品 6 作品を用い,羞恥心への認識と,質問紙により現代の看護学生が感じる羞恥心レベルについて調査し,ナイチンゲール病棟の設計 思想と現代におけるプライバシーの捉え方について検討した.文献検討では,その時代前後で,病院の患者の階級や求められる医療が変化し,プライバシーが必要になった.ナイチンゲール病棟を提唱した時期はちょうどその過渡期であり,プライバシーへの十分な配慮がなされていなかったことが示唆された.看護学生のアンケート調査では,患者が治療を受ける場合,特に身体の一部が露出されるときに羞恥心が あると答えていた.ナイチンゲール病棟については,看護者の目が行き届き安心感を与えるが,患者のプラ イバシーがないと捉えていた.

収録刊行物

  • 紀要

    紀要 15 9-16, 2021-03-31

    名寄市立大学

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