職業性曝露、日常飲酒が無い若年者の尿中メタノール濃度及びその日間変動

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  • Urinary methanol level on non-exposed subjects without habitual alcohol drin
  • Urinary methanol level on non-exposed subjects without habitual alcohol drin

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抄録

背景:職業的なメタノール曝露の生物学的曝露指標に尿中メタノールが用いられている。一般大気環境、食品からも曝露があり、職業性メタノール曝露の無い人の尿にもメタノールが検出される。近年、大気環境、食品からの非職業性メタノール曝露機会が増しているとの報告もある、しかし、非職業性曝露による尿中メタノール値が高い場合、職業性曝露者の尿中メタノールに占める職業的曝露を高く見積もることになるが、本邦で職業性曝露の無いヒトの尿中メタノール値は過去20年程度報告されていない。目的:職業性曝露の無いヒト尿中メタノール濃度を明らかにし、生物学的曝露指標に影響を与えるかどうかを確認することを目的とした。方法:職業性メタノール曝露の無い大学生25名(男性20名、女性5名)を対象とし、尿中メタノール濃度を測定した。また6名(男性4名、女性2名)の尿中メタノール濃度の週間変動を調べた。結果:25名の尿中メタノール値は1.8±1.1mg/l(0.1-5.0mg/l)だった。4日間の尿中メタノールは0.6-5.0mg/lの間で変化し、25名の尿中メタノール濃度の99.7%(平均±3σ)に入る値であった。考察:今回の対象者において、尿中メタノール値は既存報告と同等のレベルであり、生物学的曝露指標に以前より影響を与えている、ことは無かった。

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信州公衆衛生雑誌 4(2): 25-28(2010)

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