化学工学における計算機化学の応用  分子シミュレーションを用いた表面修飾メソポーラスシリカに対するメタノール/水混合ガスの吸着特性の研究

  • 古川 信一
    大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻化学工学領域
  • 青山 直樹
    大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻化学工学領域
  • 西海 俊弘
    大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻化学工学領域
  • 新田 友茂
    大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻化学工学領域
  • 高橋 英明
    大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻化学工学領域
  • 中野 雅由
    大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻化学工学領域

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular Simulation Study on Adsorption of Methanol/Water Mixed Gases in Mesoporous Silicas with Surface Modification
  • 分子シミュレーションを用いた表面修飾メソポーラスシリカに対するメタノール/水混合ガスの吸着特性の研究
  • ブンシ シミュレーション オ モチイタ ヒョウメン シュウショク メソポーラスシリカ ニ タイスル メタノール ミズ コンゴウ ガス ノ キュウチャク トクセイ ノ ケンキュウ

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抄録

1次元細孔をもつメソポーラスシリカへのメタノール/水混合ガスの吸着に対する表面修飾の効果を調べるために,(1)融解/冷却アルゴリズムを導入した分子動力学法を用いて,親水性表面(OH表面)およびトリメチルシリル基で置換した疎水性表面(FS表面)をもつメソポーラスシリカをモデル化し,(2)µVTアンサンブル配向バイアス・モンテカルロ法を用いて吸着平衡を計算した.OH表面をもつメソポーラスシリカモデルでは,298 Kにおける純ガスの吸着等温線が,メタノールはステップ状吸着,水は凝縮性吸着の特徴を示し,それぞれの実験値を良好に再現した.FS表面細孔では,水は圧力を上げても吸着しなかったが,メタノールは凝縮性吸着の特徴を示した.すなわち,トリメチルシル基による表面修飾は,水だけでなくメタノールとの親和性も低下させる.温度333 Kにおける等相対圧(各成分の相対圧が等しい)混合ガスの吸着等温線を計算したところ,純ガスでは水を全く吸着しなかったFS表面細孔が混合ガスでは凝縮性吸着機構でアルコールと水を同時に吸着した.また,この系の細孔内局所密度分布から,疎水性のCH3基が疎水表面に多く存在するが,細孔内部ではメタノールと水がほぼ均一な組成で存在することがわかった.

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