体重増加不良を契機に発見された先天性腎性尿崩症の1例

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タイトル別名
  • A case of Congenital Nephrogenic Diabetes Insipidus Found by Failure to Thrive

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抄録

体重増加不良を契機に発見され,遺伝子診断にて先天性腎性尿崩症と確定診断した1例を経験した。症例は2ヵ月の男児。入院時,血清Na161mEq/L,Cl125mEq/L,血清浸透圧336mOsm/Lと高張性脱水を認めたにも関わらず,尿比重1.005,尿浸透圧98mOsm/Lと低値で,バソプレッシンの異常高値 (78.2pg/ml) から腎性尿崩症が疑われた。脱水と高Na血症の補正のため輸液を開始したが,輸液に伴う尿量の増加があり,その補正は困難であった。増加した尿量分に対し輸液量を増加させる必要があり,最終的に輸液量を約250~300ml/kg/dayとすることで脱水と高Na血症は改善した。腎性尿崩症における高Na血症の補正には通常より大量の輸液が必要であると考えられた。また乳児の脱水の鑑別診断には,腎性尿崩症も念頭におく必要があると考えられた。

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