Ni-MFIゼオライト触媒によるバイオエタノールからの低級オレフィン合成

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  • Synthesis of Light Olefins from Bioethanol over Ni-MFI Catalysts
  • Ni MFI ゼオライト ショクバイ ニ ヨル バイオエタノール カラ ノ テイキュウ オレフィン ゴウセイ

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抄録

Ni-MFIゼオライトを用いて,高い空間速度下でのエタノール転化反応に及ぼすNi添加効果を検討した。さらに,トウモロコシから生成された実バイオエタノールに対する反応性や失活に及ぼす水や微量不純物の影響を考察した。MFIへのNiの添加は芳香族化合物生成を強く抑制する効果を示し,純エタノールの反応ではC3およびC4オレフィンの生成選択性を大幅に向上させた。一方,バイオエタノールを反応物とすると,C3およびC4オレフィンの生成選択率は減少し,Niサイトの芳香族生成抑制効果がやや低下した。また,Ni添加の有無にかかわらずC3~C4オレフィン生成量が経時的に減少した。673 Kにおける反応では炭化水素以外の炭素種の表面堆積が認められ,バイオエタノール中の不純物の堆積が示された。Niの電子状態は純エタノールの反応後と異なっており,ニッケル硫酸塩あるいはNi2O3種の生成が触媒劣化にかかわっていることが示唆された。773 Kでの反応では,触媒表面に大量のフィラメント状の炭素が析出した。これらの要素が実バイオエタノールの反応におけるC3,C4オレフィン生成反応の特異的な失活を導いている可能性がある。

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