腰痛とはどの部位の痛みをいうか  患者,整形外科医へのアンケートによる調査

  • 松平 浩
    東京大学医学部整形外科学教室〔〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1〕
  • 山崎 隆志
    武蔵野赤十字病院整形外科
  • 滝川 一亮
    滝川病院
  • 荒井 勲
    武蔵野赤十字病院整形外科
  • 星地 亜都司
    東京大学医学部整形外科学教室〔〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1〕
  • 中村 耕三
    東京大学医学部整形外科学教室〔〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1〕

書誌事項

タイトル別名
  • Which area is referred to by the term “low back pain”? Questionnaire study
  • ヨウツウ トワ ドノ ブイ ノ イタミ オ イウ カ カンジャ セイケイ ゲカイ エ ノ アンケート ニ ヨル チョウサ

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抄録

患者と整形外科医にアンケートで人体図の腹背側面に“どこが痛ければ腰が痛いと表現するか”との質問票に回答を求めた.患者は腰痛既往のある270名,医師は3年以上整形外科を専門としている62名を対象とした.患者,医師ともその表示パターンは以下の4型に分けられた.1型:背側においてその局在の下限が腸骨稜を越えない腰背部単独型,2型:下限が腸骨稜を越えるが殿部の近位1/2を越えない上殿部型,3型:下限が殿溝まで及ぶ全殿部型,4型:下限が殿溝を越える下肢型.その内訳は患者で1型62%,2型27%,3型8%,4型3%,医師では1型39%,2型48%,3型11%,4型2%であった.背側のみならず上前腸骨棘周囲などの腹側にも表示のあった回答者が患者の10%,医師の3%にみられた.個人の考える腰痛部位は殿部の扱いを含めさまざまなため,JOAスコアを用いて腰痛,下肢痛の治療成績評価をする際は,腰の範囲を明確にする必要があると思われた.

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被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (1)*注記

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