重度精神遅滞と難治てんかんを呈したMECP2重複症候群の2男児例

  • 齋藤 貴志
    独立行政法人精神・神経医療研究センター病院小児神経科
  • 本田 尚三
    東京医科歯科大学難治疾患研究所ゲノム応用医学研究部門
  • 中川 栄二
    独立行政法人精神・神経医療研究センター病院小児神経科
  • 花井 彩江
    独立行政法人精神・神経医療研究センター病院小児神経科
  • 小牧 宏文
    独立行政法人精神・神経医療研究センター病院小児神経科
  • 須貝 研司
    独立行政法人精神・神経医療研究センター病院小児神経科
  • 佐々木 征行
    独立行政法人精神・神経医療研究センター病院小児神経科
  • 赤坂 紀幸
    国立病院機構西新潟中央病院小児科
  • 遠山 潤
    国立病院機構西新潟中央病院小児科
  • 稲澤 譲治
    東京医科歯科大学難治疾患研究所ゲノム応用医学研究部門
  • 後藤 雄一
    独立行政法人精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第2部

書誌事項

タイトル別名
  • MECP2 Duplication Syndrome in Male Patients with Severe Mental Retardation and Intractable Epilepsy

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抄録

MECP2 は女性に発症するRett症候群の原因遺伝子として知られてきたが、その重複により、男性の精神遅滞、てんかんなどの神経学的異常の原因となることが明らかになりMECP2 重複症候群と呼ばれるようになってきた。我々は、精神運動遅滞に難治てんかんと反復性感染を合併したMECP2 を含むXq28重複例2例を経験した。症例1は16歳男性、4歳時から難治てんかんを発症し、13歳時に脳梁離断術を施行されたが改善は一時的で、以後も難治に経過している。症例2は13歳男性で、2歳時より難治てんかんを発症し、気道感染の反復もみられた。両症例ともX染色体全領域のアレイcomparative genomic hybridizationの結果、MECP2 を含むXq28の重複がみられた。MECP2 の重複患者は、X連鎖性精神遅滞の1%を占めるといわれている。難治てんかん、精神運動遅滞、反復性気道感染を合併する患者をみた場合には、本症を念頭に置く必要がある。<br>

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 28 (1), 24-31, 2010

    一般社団法人 日本てんかん学会

参考文献 (15)*注記

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