主治医による死亡確認や臨終の立ち会いが, 家族の心理に及ぼす影響についての調査研究

  • 新城 拓也
    社会保険神戸中央病院 緩和ケア病棟
  • 森田 達也
    聖隷三方原病院 緩和支持治療科
  • 平井 啓
    大阪大学大学院 人間科学研究科医学系研究科
  • 宮下 光令
    東北大学大学院 医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野
  • 佐藤 一樹
    東北大学大学院 医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野
  • 恒藤 暁
    大阪大学大学院 医学研究科緩和医療学
  • 志真 泰夫
    筑波メディカルセンター病院 緩和医療科

書誌事項

タイトル別名
  • Who pronounced the patient's death? A study of the experience of bereaved Japanese families in palliative care units

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抄録

本研究は, 主治医が終末期がん患者の死亡確認を行うことや臨終に立ち会うことが, 家族のつらさと医師の対応への改善の必要性に影響するかを明らかにすることである. 2007年, 95のホスピス・緩和ケア病棟の遺族670名を対象に質問紙調査を行った. 全体の73%の遺族が回答した. どの医師が死亡確認を行うか, 医師が臨終に立ち会ったかは家族のつらさとは関連がなかった. 一方, 死亡確認と立ち会いは, 医師の対応への改善の必要性とは有意な関連があった. しかし, 医師が「臨終に立ち会ったこと」と, 「立ち会えなかったが, その日は頻繁に部屋に来ていた」ことの間には, 医師の対応への改善の必要度に有意差はなかった. したがって, 家族は主治医の死亡確認や, 臨終の立ち会いを望んでいるが, もし死亡確認や立ち会いができなかったとしても, 心理的なつらさが強まることはなく, 臨終までに頻繁に部屋に行くことで十分な対応であると考えていることが示唆された. Palliat Care Res 2010; 5(2): 162-170

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参考文献 (11)*注記

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