免疫グロブリンの胎児腹腔内投与を施行した先天性サイトメガロウイルス感染の１例

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  • 稲葉 可奈子
    京都大学大学院医学研究科器官外科学講座婦人科学産科学
  • 佐藤 幸保
    京都大学大学院医学研究科器官外科学講座婦人科学産科学
  • 高井 浩志
    京都大学大学院医学研究科器官外科学講座婦人科学産科学
  • 角井 和代
    京都大学大学院医学研究科器官外科学講座婦人科学産科学
  • 巽 啓司
    京都大学大学院医学研究科器官外科学講座婦人科学産科学
  • 藤原 浩
    京都大学大学院医学研究科器官外科学講座婦人科学産科学
  • 河井 昌彦
    京都大学大学院医学研究科発達小児科学（新生児集中治療部）
  • 児玉 暖
    京都大学大学院医学研究科発達小児科学（新生児集中治療部）
  • 峰松 俊夫
    愛泉会日南病院 疾病制御研究所
  • 山田 秀人
    神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学
  • 小西 郁生
    京都大学大学院医学研究科器官外科学講座婦人科学産科学

書誌事項

タイトル別名
  • A case of symptomatic congenital cytomegalovirus infection treated with prenatal intraperitoneal immunoglobulin administration
  • 症例報告 免疫グロブリンの胎児腹腔内投与を施行した先天性サイトメガロウイルス感染の1例
  • ショウレイ ホウコク メンエキ グロブリン ノ タイジ フククウ ナイ トウヨ オ シコウ シタ センテンセイ サイトメガロウイルス カンセン ノ 1レイ

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抄録

妊娠中にサイトメガロウイルス（CMV）に初感染した妊婦の約40％が胎内感染を起こし，その約10％に子宮内胎児発育不全，肝脾腫，小頭症，腹水などを発症するとされている．今回われわれは，症候性の先天性CMV感染（先天性CMV感染症）に対し免疫グロブリンの胎児腹腔内投与を行った１例を経験したので報告する．　症例は19歳女性．妊娠21週時に胎児腹水，重症羊水過少のため当科を紹介受診した．羊水と胎児腹水のウイルス学的検査により先天性CMV感染症と診断した．免疫グロブリンの胎児腹腔内投与により胎児腹水中CMV-DNAおよび腹水量は減少した．妊娠37週に2034g（－2.0SD）の女児を自然経腟分娩した．新生児は尿中CMV-PCRが陽性であり，肝脾腫，血小板減少，腹部点状出血斑を認めた．出生翌日からのガンシクロビル投与により，尿中CMV-PCRは陰性化しこれらの症状は改善した．しかしながら，聴力検査で右耳の中等度難聴が疑われた．先天性CMV感染症に対する免疫グロブリンの胎児腹腔内投与は，胎児所見を改善させる効果があると考えられた．〔産婦の進歩62（3）：234-240，2010（平成22年8月）〕

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