裂肛と肛門内圧に関する臨床的研究

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  • Clinical Analysis of Anal Fissure and Anus Internal Pressure

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抄録

裂肛の発生原因は排便習慣,特に便秘や下痢が主因と考えられている.そこに慢性化要因として局所の変化,肛門括約筋機能や局所の血流の変化が関与すると考えられている.<br> 今回,我々は排便との関係を調べると同時に,肛門内圧が裂肛の慢性化にどのように関与しているかを調べるために,急性,亜急性,慢性裂肛例と健常例の肛門内圧を測定し,慢性裂肛の病態を推測した.慢性裂肛例では排便異常例は男女共に73%以上であった.健常例では加齢と共に肛門管機能は低下した.慢性裂肛例では男女共に肛門管静止圧は全体に高く,50歳までは静止圧の上昇は著しかった.また,急性,亜急性,慢性裂肛となるにつれて,すなわち,経過が長いほど静止圧は上昇する傾向を示した.したがって,静止圧の上昇は原因ではなく,結果と考えられた.随意圧と静止圧の間にはy=ax+bの相関がえられ,肛門指診により,肛門管静止圧を予測する事が可能と考えられた.<br>

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