原発巣と転移巣の粘液形質が一致したS状結腸癌小腸転移の1例

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  • A Case of Sigmoid Colon Cancer with Metastasis to the Small Intestine Expressing the Same Mucin Phenotype in the Primary and Metastatic Foci

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抄録

症例は82歳女性.1996年3月にS状結腸癌に対しS状結腸切除,3群リンパ節郭清を施行した.病理診断は高分化腺癌,se,ly3,v1,n2,stage IIIbであった.UFTを術後1年間内服し,経過観察中2000年11月に便潜血陽性となった.CEAの上昇および貧血をともない,小腸造影検査で小腸に狭窄像と口側腸管の拡張を認め,小腸腫瘍の診断で2001年6月小腸部分切除を施行した.腫瘍はトライツ靭帯から90cm肛門側の空腸に存在した.病変の主体が粘膜下層であることと組織所見が類似していることから転移が疑われた.免疫染色ではともにhuman gastric mucinが陰性で,MUC2およびCD10が陽性を呈し,小腸型粘液形質であり,結腸癌の小腸転移が示唆された.小腸切除後3年2カ月後に多発骨転移により永眠された.粘液形質の発現形式により小腸における上皮性腫瘍の質的診断の一助となる可能性がある.<br>

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参考文献 (35)*注記

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