左心機能が保たれた器質的心疾患患者における持続性単形性心室頻拍症に対する電気生理学的検査と予後についての検討

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タイトル別名
  • Clinical outcome of monomorphic ventricular tachycardias after electrophysiological study in patients with maintained left ventricular ejection fraction

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抄録

心機能の比較的保たれた器質的心疾患における心室頻拍(VT)患者の予後は十分には明らかにされていない.今回われわれは,器質的心疾患患者における持続性単形性VT(SMVT)に対して,抗不整脈薬内服ないしカテーテルアブレーション(CA)治療後の電気生理学的検査(EPS)と予後に関する検討を行った.すなわち,SMVTの既往があり左室駆出率が35%以上の65例(虚血性心筋症21例,拡張型心筋症13例,肥大型心筋症3例,心サルコイドーシス6例,催不整脈性右室心筋症17例,ファロー四徴症術後5例)を対象にEPSを施行し,VT誘発性と全死亡,心臓突然死,VT再発との関連について調査した.その結果,43ヵ月の平均フォローアップ期間中,死亡例は認められなかったものの,VTの再発が18例(28%)に認められた.他方でVT誘発群は,非誘発群と比較し,有意にVTの再発率が高かった.また,CAを施行された44例の分析においても,手技終了時VT誘発群でのVT再発率が有意に高かった.結論として,心機能が比較的保たれた器質的心疾患患者のVTは高い再発率を認めるものの生命予後は良好であること,VT誘発性はVT再発の予測因子となりうることが示された.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 30 (5), 385-394, 2010

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (20)*注記

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