左室内血栓を合併した心筋梗塞後心室頻拍に対する心内膜マッピング下直達高周波アブレーション

書誌事項

タイトル別名
  • Endocardial map-guided direct radiofrequency ablation for postinfarction ventricular tachycardia complicated with left ventricular thrombi

この論文をさがす

抄録

症例は70歳,男性.25年前に心筋梗塞を発症し,保存的に加療された.心拍数170回/分の心室頻拍(VT)を生じたため精密検査を行った結果,左前下行枝完全閉塞を含む2枝病変,左室心尖部瘤と瘤内多発血栓が認められた.外科的血栓除去,瘤切除および冠動脈バイパス手術の適応と診断し,VT治療を併用することとした.オフポンプ冠動脈バイパス術後,人工心肺下に心尖部を切開し血栓を除去,電気的除細動にて心拍を再開させた.常温下で期外刺激にてVTが誘発された.心尖部の切開口から20極円周状カテーテルで心内膜側をマッピングし,最早期興奮部位と周囲の拡張期電位を参考にマーキングを行った.誘発されたVTの最早期興奮部位は,いずれも瘤周囲の中隔側であった.マーキングを参考に,単極型高周波アブレーションデバイスにて70℃設定で60秒間のアブレーションを3回施行した.この後VTが誘発されないことを確認し,引き続き左室形成術を行い手術終了とした.以後20ヵ月VTの再発は認めていない.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 30 (5), 395-400, 2010

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ