肺癌および肝細胞癌を有するアルコール性肝硬変患者に発症したEdwardsiella tarda敗血症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of sepsis due to Edwardsiella tarda with alcoholic liver cirrhosis complicated by hepatocellular carcinoma and lung cancer
  • 症例報告 肺癌および肝細胞癌を有するアルコール性肝硬変患者に発症したEdwardsiella tarda敗血症の1例
  • ショウレイ ホウコク ハイガン オヨビ カン サイボウガン オ ユウスル アルコールセイ カンコウヘン カンジャ ニ ハッショウ シタ Edwardsiella tarda ハイケツショウ ノ 1レイ

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抄録

Edwardsiella tarda(以下E.tarda)のヒトへの感染症はまれであるが,敗血症の致死率は高く,特に肝疾患患者での発症が多い.<br> 症例は76歳男性,検診の腹部エコーにて肝腫瘍を指摘され入院となった.肝腫瘍診断のために行った肝生検当日,悪寒戦慄を伴う40℃の発熱が出現した.CT,腹部超音波より胆嚢炎を疑いSBT/CPZを投与したが改善せず,血液培養からE.tardaを検出した.MEPMおよび免疫グロブリン製剤投与ならびにPTGBA(percutaneous transhepatic gallbladder aspiration)を行い,解熱,炎症は消失した.胆汁の培養からはKlebsiella pneumoniae(以下K.pneumoniae)のみが検出された.また胆嚢穿刺と同時に施行した血液培養ではE.tardaは陰性化していた.<br> E.tardaの敗血症は重症例が多く,肝硬変や担癌患者には注意を要する感染症である.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 52 (2), 120-125, 2011

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (26)*注記

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