原発性肺癌に併発した多発性後縦隔骨髄脂肪腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Concurrent of Primary Lung Cancer and Multiple Posterior Mediastinal Myelolipoma

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抄録

背景.骨髄脂肪腫は骨髄成分と成熟脂肪組織からなる稀な良性腫瘍である.副腎原発が多く,後縦隔原発例は稀である.症例.既往に多血症,高血圧症,糖尿病を有する71歳男性である.食欲不振を主訴に近医受診し,胸部X線および胸部CTにおいて肺および縦隔の異常陰影を指摘され,当院を紹介受診した.胸部CTにおいて,右肺S1に15 mm大の結節影,両側後縦隔の第3胸椎に接し腫瘤性病変を認めた.FDG-PETでは右肺S1結節にFDG集積を認めた.両側の後縦隔腫瘤はMRIのT1強調画像・T2強調画像において高信号を示し,T1脂肪抑制画像において低信号を示した.確定診断および治療目的に右肺上葉切除・縦隔リンパ節郭清術,右後縦隔腫瘍切除術を施行した.病理診断より右肺S1結節は低分化型腺癌,野口type D+F,pT1aN1M0,病理病期IIAの肺癌,また後縦隔腫瘤は骨髄脂肪腫と診断された.結論.肺癌に併発した後縦隔発生の骨髄脂肪腫の1例を経験した.縦隔内に脂肪含有腫瘍を認めた場合,鑑別として骨髄脂肪腫を挙げる必要がある.画像診断において骨髄脂肪腫と髄外造血巣との鑑別は困難であり,確定診断には臨床所見および病理学的診断が有用である.<br>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 51 (3), 207-211, 2011

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (5)*注記

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