著明な腹水に対しドパミン製剤が著効を奏した全身性エリテマトーデスの1例

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  • A case of systemic lupus erythematosus for which dopamine preparations were extremely effective against substantial ascitic fluid.

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抄録

40歳の女性症例が入院時SLEおよびループス腎炎によるネフローゼ症候群と診断された.入院時より著明な腹水貯留が認められ, SLEによる腹膜炎に,さらにネフローゼ症候群による低蛋白血症が重なったために大量の腹水が出現したと考えられた. SLEに対する治療としてベータメサゾン8mg/日の投与を開始したが腹水は全然減少せず,さらに連日の利尿剤とアルブミン製剤投与,パルス療法,メチルプレドニゾロンの腹腔内投与,体外式限外濾過法による除水も試みたがすべて無効であった.そこで利尿剤とアルプミン製剤投与にドパミン製剤を併用し, 3μg/kg/minの濃度で連日投与したところ尿量が増大しドパミン製剤の投与開始前の体重53.5kg,腹囲93cmが42日後にはそれぞれ41.0kg, 70cmと減少し,腹水は完全に消失した.本症例の腹水が副腎皮質ホルモン剤などに反応せずドパミン製剤に反応した真の理由は不明である.

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