摂取する水の温度と量がヒトの胃運動に及ぼす影響

  • 脇坂 しおり
    兵庫県立大学大学院環境人間学研究科
  • 松本 雄大
    サントリーホールディングス株式会社水科学研究所
  • 永井 元
    サントリーホールディングス株式会社R&D企画部
  • 村 絵美
    サントリーホールディングス株式会社R&D企画部
  • 森谷 敏夫
    京都大学大学院人間・環境学研究科応用生理学研究室
  • 永井 成美
    兵庫県立大学大学院環境人間学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Drink Temperature and Volume of Water Ingestion on Gastric Myoelectrical Activity in Humans
  • セッシュ スル ミズ ノ オンド ト リョウ ガ ヒト ノ イ ウンドウ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

胃電図は, 腹部表面から皮膚電極を用いて胃筋電活動を記録する方法である。本研究では, 摂取する水の温度と量が朝の胃運動に及ぼす影響を検討するため, 胃疾患を有さない27名の女性を無作為に3群に割り付け, 15ºC, 250 mLの冷水 (Cold250) と65ºCの同量の湯 (Hot250), 65ºCのカップ1杯 (150 mL) の湯 (Hot150) をそれぞれの群に負荷した。前夜から絶食した被験者に, 午前9時に試験サンプルを負荷し, 飲水前20分間, および飲水後35分間の胃電図を測定した。得られた胃の電気信号を解析し, 1分間に約3回発生する胃運動正常波の出現頻度と, 胃運動の強さの指標として正常波をパワースペクトル解析して得られた正常波パワーを飲水前後の増加比で評価した。飲水負荷後の正常波出現頻度は, Hot250では一過性に増加, Cold250では一過性に減少し, 経時変化のパターンには有意な差が認められた (p=0.001) 。Hot150負荷後の正常波出現頻度においてもHot250と同様の変化が認められた。正常波パワー増加比は, 水の温度, 量にかかわらず飲水後に同程度の増大が認められた。以上より, 65ºCで150 mL以上の湯は飲水後の胃運動正常波の出現頻度を増加させること, および胃運動正常波の強さは本研究で用いた水の温度と量にかかわらず一過性に増大することが示唆された。

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被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (48)*注記

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