興味ある甲状腺癌を伴なつた三重複癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF PRIMARY TRIPPLE CANCER WITH THE INTERESTING THYROID CANCER
  • キョウミ アル コウジョウセンガン オ トモナッタ サン チョウフクガン ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

原発性悪性腫瘍のうち,重複癌の報告は現在まで多数みられるが,三重複癌についての報告はきわめて少ない.胆石症状を主訴に入院した74才の男子例で,高度の赤沈促進,貧血,左側胸部腫瘍の存在,ならびに腹部症状などから悪性新生物を疑い,臨床経過中に出現した頚部リンパ節の生検により甲状腺腫を伴なわない濾胞性甲状腺癌を発見した.剖検の結果,さらに左III, V肋骨に5年以上の長期にわたり転移を有した右腎明細胞癌と初期の胃管状腺癌を合併していることを確かめ,三重複癌と判明した.原発性悪性腫瘍はおのおの特有の転移巣を有すると考えられることから,単一の腫瘍としてその臨床症状が合致しない場合には他の腫瘍の共存を疑い,充分な検索を進める必要がある.

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ