原発性シャント高ビリルビン血症と思われた1例

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  • A CASE OF PROBABLE PRIMARY SHUNT HYPERBILIRUBINEMIA
  • ゲンパツセイ シャント コウ ビリルビン ケッショウ ト オモワレタ 1レイ

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抄録

原発性シャント高ビリルビン血症と思われた1例を経験した.本疾患の病態生理は,骨髄内無効造血によるビリルビン生成過剰性黄疸であり,さらに赤血球自体の欠陥,処理機構の異常の関与などが考えられているが,現在のところ不明である.われわれは本例においてカロリー制限テスト,ニコチン酸テストを行ない,その結果Gi1ber症のような肝の非抱合ビリルビン処理異常に対しては否定的な結論を推定した.また,ニコチン酸テストを同胞に行ない,潜在性黄疸の検出を試みたが,家族性は認められなかつた.さらに3年間の臨床経過において自然寛解ともいえる状態が観察され,利用率の変動とそのほか諸検査成績の変動との間に関連性が認められ,骨髄内赤血球崩壊の程度の消長を示唆する成績がえられたことは興味ある点である.

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