周期性失調症の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF PERIODIC ATAXIA
  • シュウキセイ シッチョウショウ ノ 1レイ

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抄録

47才の男性で一過性に数時間持続する失調性歩行,構音障害,協同運動障害,企図振戦の発作が反復する症例を報告する. 19才のとき全身の硬直があり倒れたことがある.その後も時々全身のこわばりがあり倒れることがあつたが,最近は1カ月に1~2回の頻度で発作がある,非発作時は何の症状もなく会社員として正常に勤務している.発作の誘因には精神的緊張,過労がある.発作は著明な失調性歩行,断綴性言語,協同運動障害,眼振および企図振戦が突然に起こる.そして何の処置をしないでも,発作後約2時間で構音障害が改善しはじめ, 6時間後には独力で歩けるようになり,約12時間後には水平および垂直方向の眼振以外は全く正常の状態となる.この眼振は非発作時にも認められる.諸検査成績はすべて陰性である.家族歴,既往歴に特記するものはない.周期性失調の1例と診断した.また周期性失調症の概念が混乱しているので従来の報告を整理し, I群Verger型周期性失調症, II群間欠性脊髄小脳変性症, III群器質疾患に伴う一過性周期性失調症状に分け,その特徴を論じた.本症例はI群のVerger型周期性失調症に属するものと考える.

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