脳血管障害患者の脳血流・autoregulationに関与する因子の研究

書誌事項

タイトル別名
  • FACTORS INFLUENCING ON CBF AND AUTOREGULATION IN PATIENTS WITH CEREBROVASCULAR DISEASE
  • ノウ ケッカン ショウガイ カンジャ ノ ノウ ケツリュウ autoregul
  • EFFECTS OF AGE, DURATION AFTER ONSET AND SITE OF THE LESION
  • 年令・発症後期間・障害部位などの影響について

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抄録

脳血管障害患者64例における脳血流および脳循環autoregulation障害度を疾患別に分類し,患者の年令・発症後期間・病巣部位・発作回数などの諸因子との関係を検討した.脳血流は133Xe内頚動脈注入法により測定し, autoregulation障害度はtilt tableを用いて頭部を挙上させ脳潅流圧を減少させた際の脳血流の変化より評価した.その結果,テント上脳硬塞・脳出血例のみならず,脳幹部硬塞や明らかな硬塞を伴わない椎骨脳底動脈不全症においても,テント上の脳循環autoregulationに障害があることが観察された.最も症例の多かつたテント上脳硬塞例では,高令者ほど,急性期(発症後1カ月以内)ほど,また発作を反復している症例ほどautoregulation障害が強い傾向がみとめられた.上記の結果から,特に高令の脳血管障害患者急性期における血圧管理の重要性が示唆された.またautoregulationの障害は単に病巣部位付近のみならず反対側脳半球や脳幹部硬塞例のテント上でもみられ,この事実からautoregulationの機序は,従来の筋原説のみでは説明しがたく,おそらく神経系を介した何らかのremote effectが働いていると考えられる.

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