A case of an adult hemolytic uremic syndrome who showed a typical bilateral renal cortical necrosis at autopsy.

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  • 剖検により両側じん皮質壊死が証明された成人溶血性尿毒症症候群の1例

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成人の溶血性尿毒症症候群で,剖検により典型的な両側腎皮質壊死を示した症例を経験したので報告する.症例は50才,女性.高血圧性脳内出血による意識障害を主訴に入院.血腫除去術により一時的な回復をみたが,その後痙〓重積状態より昏睡となつた.同時に細血管障害性溶血性貧血を伴つた急性腎不全がみられ,溶血性尿毒症症候群と診断された.計3回の人工透析を施行するも,呼吸状態悪化し,死亡した.剖検により,脳には大脳基底核および側頭葉を中心とした著明な出血巣と,テント切痕および小脳扁桃ヘルニアがみられた.腎は両側ともやや腫大し,広範な皮質壊死がみられた.成人の溶血性尿毒症症候群はまれな疾患で,本邦では数十例の報告をみるのみである.その腎病理学的所見は多彩であるが,典型例では両側腎皮質壊死をみるとされている.両側腎皮質壊死もまれな病態であり,特に成人溶血性尿毒症症候群に伴つた症例の報告は本邦では1例に過ぎない.我々の経験した症例の臨床経過および剖検所見は,溶血性尿毒症症候群並びに両側腎皮質壊死の一典型例として,それらの病因および病態生理を明らかにする上で貴重な症例と考えた.

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