腎疾患のプライマリケア III  最近の話題 2  IgA腎症発症・進行の分子機構

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  • IgAジンショウ ハッショウ ・ シンコウ ノ ブンシ キコウ
  • [Molecular mechanism for the onset and progression of IgA nephropathy].

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抄録

IgA腎症の発症・進行には,いくつかの遺伝因子が関与していると考えられている.進行については,特にレニンアンジオテンシン系遺伝子多型との関連性が議論されている.発症には, (1)抗原抗体複合物の糸球体メサンギウムへの沈着,もしくは(2) IgA1分子自体の変性とその沈着が関与していると考えられる. Fcレセプター(R)ファミリーに属するFcαRとFcRを機能的に支えているFcRガンマ鎖は, IgAのメサンギウム細胞への沈着とそれに引き続いて起こる細胞の活性化(炎症)を説明するのに非常に合理的な分子である. IgAがメサンギウム細胞と結合・沈着し, Fcガンマ鎖と会合することで細胞内ヘシグナルが伝達され,メサンギウム主体の炎症が惹起される可能性が考えられる.また,糸球体硬化の進行には,糸球体メサンギウム病変のみならず糸球体上皮細胞の喪失や尿細管・間質への細満細胞浸潤および間質の線維化との関連性が注目されている.

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