非対称性中隔肥大と巨大陰性T波を示した副腎皮質腺腫によるCushing症候群の1例

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  • A case report of Cushing's syndrome due to adrenocortical adenoma, presenting asymmetric septal hypertrophy and giant negative T-wave.

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抄録

両側副腎が腫大し,左側に副腎皮質腺腫を認めた39才,女牲のCushing症候群例に,心電図にて巨大陰性T波と心エコー図にて非対称性中隔肥大などの非閉塞性肥大型心筋症に類似した所見を認めた.内分泌学的には血漿cortisol値が高く, ACTH値は測定感度以下で,尿中17-KS値は正常であった. Dexamethasone 8mg/日の投与で抑制がなく, metymponeテストに無反応で, ACTH-Zの連日筋注に過大反応を示した.左副腎摘出後に血漿cortiso1値は正常となり,その1カ月後に巨大陰性T波は消失し, 3カ月後には心室中隔壁厚の減少を認めた.著しい高血圧の既往がないことから,上記の非対称性中隔肥大と巨大陰性T波は,高cortisol血症に由来したものと考えられた.

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