書誌事項
- タイトル別名
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- A case of pheochromocytoma with transient hyperamylasemia during hypertensive crisis
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抄録
臨床症状や高アミラーゼ血症より膵炎として治療を受けていた64才の女性は,腹部CT像,血管造影および血中,尿中カテコラミン濃度より左副腎褐色細胞腫と診断された.入院中, 2回の高血圧発作に一致して著明な一過性の高アミラーゼ血症を認めた.この時,アミラーゼアイソザイム分析では唾液腺型が優位で,アミラ-ゼクレアチニンクリアランス比は比較的低値であつた.静脈部位別血清アミラーゼ活性は褐色細胞腫からのアミラーゼ分泌を示唆せず, metoclopramide静注試験による高血圧発作中では,血清アミラーゼは上昇しなかつた.腫瘍摘出後,高アミラーゼ血症は一度も認めず,その発現機序にカテコラミン分泌が密接に関連していると思われた.
収録刊行物
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- 日本内科学会雑誌
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日本内科学会雑誌 75 (8), 1129-1135, 1986
一般社団法人 日本内科学会