内耳膜迷路の化骨に関する病理組織学的観察

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  • ナイジ マク メイロ ノ カコツ ニ カンスル ビョウリ ソシキガクテキ カンサツ
  • [Pathology of ossification of the membranous labyrinth].

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抄録

内耳膜迷路の病的化骨の過程は感染, 外傷などの大きな損傷の治癒と修復の最終過程である. 化膿性内耳炎, 器械的損傷, 迷路破壊術後等の種々の病理組織学的所見について記した. 内耳炎による化骨の好発部位は迷路下部にみられる. 新生骨は主として蝸牛軸と骨ラセン板から先ず外リンパ腔に浸潤する. 新生骨形成は骨迷路の骨内膜からできた骨芽細胞から始まるものと思われる. これらの骨形成に関与した細胞と新生骨の骨梁は内耳腔内の疎性線維性結合織と膠原線維とともにみられる. Havers管は化骨が完了した蝸牛膜迷路内に形成されていた.<BR>実験的観察により化膿性内耳炎による初期の新生骨形成は鐙骨切除術後2カ月ではじめて出現した. 膜迷路における骨浸潤は頭部外傷後の症例にもみられた. 動物における迷路破壊術後の病変は限局しており, 迷路の残された部位は線維性, 骨性変化から免かれていた. 骨新生の部位は膜迷路内にでてきた骨片の周囲にみられた. これらの変化は術後3週にてはじめて出現した. 種々の膜迷路の化骨の要因についても検討した.

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