心不全を有する心房細動の薬物的治療法の戦略とその実際

  • 平尾 見三
    東京医科歯科大学大学院循環制御内科学 不整脈センター

書誌事項

タイトル別名
  • The strategy of pharmacotherapy for atrial fi brillation in patients with comorbid congestive heart failure

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抄録

心不全では,心筋の線維化とギャップ結合機能低下によって興奮波伝播速度の低下と不均一化が存在する.そのためNaチャネル遮断作用を有するI群抗不整脈薬はその陰性変力作用によりかえって心不全を悪化させる危険性があり,使用すべきでない.陰性変力作用が少なくKチャネル遮断作用を有するベプリジル,アミオダロンなどの使用が推奨されるものの,基本的には,心不全例ごとに左室収縮能や合併する疾患を考慮し,最適な薬剤を選択することが重要である.この際,遅延造影MRIによる左房線維化の量的評価を含めた病態の把握が薬剤選択の決定に有用な可能性がある.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 31 (2), 199-201, 2011

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (12)*注記

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