心室細動から蘇生したWPW症候群に対してカテーテルアブレーションを施行した1例

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タイトル別名
  • A Case Report of Successful Resuscitation Following Ventricular Fibrillation Secondary to Wolff-Parkinson-White Syndrome

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抄録

症例は14歳,男児.既往歴に特記事項なく,突然死の家族歴もなし.小学1年時の学校検診の心電図にてWPW症候群を指摘された.心臓超音波検査上は器質的心疾患なく,ホルター心電図,トレッドミルテストなどを行い精査するも不整脈を認めなかったため,定期的に経過観察されていた.2009年1月,体育の授業でバスケットボールを行っていたところ気分不良となった.その後心肺停止となり,直ちにbystander CPRが施行された.自動体外式除細動器(AED)にて心室細動が確認され,電気的徐細動が施行されるも停止せず,救急車内で計8回の徐細動により洞調律に復した.電気生理学的検査で,房室回帰頻拍と非通常型房室結節回帰頻拍の合併を認めたため,カテーテルアブレーション治療を行ったところ両頻拍の根治に成功した.本症例は,WPW症候群では初回発作が致死的となる頻度が低いながらありうること,治療方針を決定するためには,カテーテルアブレーション治療の根治度,合併症の情報を適切に提供しなければならないことを認識させるうえで種々の示唆に富むと考えられる.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 31 (1), 25-33, 2011

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (4)*注記

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