食品因子の腸管吸収および生理機能の分子栄養学的研究　　（平成２２年度日本栄養・食糧学会奨励賞受賞）

• 薩 秀夫

  東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻食糧化学研究室

書誌事項

タイトル別名

• The Absorption and Physiological Function of Food Factors in Intestinal Epithelial Cells (Young Investigator Award of JSNFS (2010))
• ショクヒン インシ ノ チョウカン キュウシュウ オヨビ セイリ キノウ ノ ブンシ エイヨウガクテキ ケンキュウ ヘイセイ 22ネンド ニホン エイヨウ ショクリョウ ガッカイ ショウレイショウ ジュショウ
• The Absorption and Physiological Function of Food Factors in Intestinal Epithelial Cells
• (Young Investigator Award of JSNFS (2010))
• (平成22年度日本栄養・食糧学会奨励賞受賞)

抄録

本研究では食品因子の腸管上皮透過機構および腸管上皮細胞機能に対する生理作用を主に細胞レベルで解析した。食品因子はトランスポーターや細胞間隙経路など様々な経路を介して腸管上皮細胞層を透過すること, 一方で腸管上皮トランスポーター活性は他の食品因子によって制御されることが見出された。また腸管上皮モデルCaco-2細胞と活性化マクロファージモデルTHP-1細胞との複合培養系を用いて, 抗腸炎症作用を有する食品因子を探索および解析することに成功した。並行して, ある種のポリフェノールなどが炎症悪化に関与するインターロイキン8の腸管上皮からの分泌を抑制することで, 腸炎症を予防・改善することも示された。さらに生体異物の侵入を防御する解毒排出酵素の発現が, ある種のフィトケミカルによって受容体型転写因子の活性化を介し制御されることが明らかとなった。これらの知見は腸管上皮と食品因子の相互作用を分子・細胞レベルで解析したものであり, 今後さらなる研究の進展が期待される。

収録刊行物

• 日本栄養・食糧学会誌

  日本栄養・食糧学会誌 64 (4), 207-214, 2011

  公益社団法人 日本栄養・食糧学会

キーワード

• 腸管上皮細胞
• 食品因子
• トランスポーター
• 炎症性腸疾患
• 解毒排出酵素

詳細情報

• CRID: 1390001206293742208
• NII論文ID: 130001185360
• NII書誌ID: AN00311992
• DOI: 10.4327/jsnfs.64.207
• ISSN: 18832849
• ISSN: 02873516
• NDL書誌ID: 11213766
• Web Site: https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010813763
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I11213766
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2011320614
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可