腹腔鏡併用下に切除した恥骨上子宮内膜症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of pubic bone endometriosis treated by laparoscopy-assisted surgery
  • 症例報告 腹腔鏡併用下に切除した恥骨上子宮内膜症の1例
  • ショウレイ ホウコク フククウキョウ ヘイヨウ カ ニ セツジョ シタ チコツ ジョウ シキュウ ナイ マクショウ ノ 1レイ

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抄録

恥骨上子宮内膜症は月経時に増悪する恥骨上の有痛性腫瘤であり,外科的治療が基本となる.今回われわれは腹腔鏡併用下に切除した恥骨上子宮内膜症の1例を経験したので報告する.症例は34歳女性,右恥骨上の有痛性腫瘤を主訴に近医産婦人科を受診し,鼠径ヘルニア疑いで外科に紹介されるも診断がつかず経過観察となっていた.症状の増悪を認めたためMRIを施行して初めて恥骨上子宮内膜症との診断がつき当科紹介となった.診断に至るまでに約3年を要した.まずは保存的治療を行い,9ヵ月後に腹腔鏡下右円靭帯切除術および腫瘤切除術を施行した.骨盤腹膜に子宮内膜症病変を認め,これも同時に切除した.すべての切除標本から子宮内膜症組織を認めた.術後は再発徴候なく自然妊娠を目指して経過観察中である.恥骨上子宮内膜症は,病態は鼠径部子宮内膜症に類似するものであるが,報告はきわめてまれである.時に診断に苦慮し確定診断に至るまでに数年を要することもあるため,恥骨~鼠径部の腫瘤性病変を認めた際には,本疾患を念頭に置いて診療にあたることが重要であると思われる.〔産婦の進歩63(3):307-312,2011(平成23年8月)〕

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