大腸カプセル内視鏡検査の現状と課題

DOI 参考文献45件
  • 田尻 久雄
    東京慈恵会医科大学 内科学講座消化器・肝臓内科 東京慈恵会医科大学 内視鏡科

書誌事項

タイトル別名
  • CURRENT SITUATION AND PROBLEMS OF COLON CAPSULE ENDOSCOPY

この論文をさがす

抄録

欧州における大腸カプセル内視鏡検査（colon capsule endoscopy，CCE）に関する臨床試験のデータをもとに，CCEの現況と課題について概説する．<BR>CCE関連の論文でエビデンスレベルの高い全11編によると，4段階尺度でCCEの腸管前処置状態が「優または良」，2段階尺度で「良好」であったと判断された割合は27-89％ であったが，全体的には80％ 前後の報告が多かった．またカプセルのバッテリー持続時間（約10時間）内での排泄率（全大腸検査完遂率）は75-94％ であったが，排泄率のさらなる改善が求められる．<BR>CCEによる6mm以上のポリープの診断能は，大腸内視鏡検査をgold standardとした場合，PillCam COLON1+2，PillCam COLON1単独，PillCam COLON2単独での感度，特異度がそれぞれ（63，83％），（58，85％），（86，71％）で，PillCam COLON2単独が圧倒的に良い結果が報告されている．<BR>CCEの高い実用性，精度および安全性は大腸スクリーニングに適していると思われるが，今後大腸スクリーニングに特化したstudyを実施する必要がある．CCEの費用が問題となるが，検査に対する患者の指示遵守度の向上が得られるようであればCCEによるスクリーニングの費用対効果は高いと考えられる．

収録刊行物

参考文献 (45)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ