冠動脈CTアンギオにより冠動脈狭窄が認められた家族性アミロイドーシスの1例

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  • A case of familial amyloidosis with coronary stenosis detected by coronarCT angiography

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抄録

症例は66歳, 男性. 61歳ごろから食欲不振および下痢と便秘を繰り返した. 65歳ごろから膀胱神経障害を自覚し, 他院泌尿器科で治療を受けていた. 数カ月前から両下肢に歩行障害を自覚し受診. 心電図はQSパターンを示し, 頻発する変行伝導を伴う上室性期外収縮が認められた. 心エコー図では心室中隔の肥厚, 左室の求心性肥大, 心筋内に高輝度エコーを認めた.初診から1カ月後に胸水貯留, 下腿浮腫が認められた. 全身性の多様な神経症状と家族歴から家族性アミロイドーシスが疑われ, 遺伝子分析の結果, familial amyloidosis polyneuropathy (Glu61Lys型) と判明した. 心電図でQSパターンを認めたため, 冠動脈CTアンギオを施行し, RCA, LADに有意狭窄を認めた. 心アミロイドーシスで, 冠動脈CTアンギオにより心外膜 (epicardial) 冠動脈の狭窄を認めた報告はない. 家族性アミロイドーシスに合併した心アミロイドーシスについて報告する.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 42 (1), 70-75, 2010

    公益財団法人 日本心臓財団

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