周波数分析した動物催眠脳波の特性

書誌事項

タイトル別名
  • CHARACTERISTICS OF FREQUENCY ANALYSED EEG DURING ANIMAL HYPNOSIS
  • シュウハスウ ブンセキシタ ドウブツ サイミン ノウハ ノ トクセイ

この論文をさがす

抄録

1) 家兎の深部脳波を周波数分析して仰臥位・耳介の基部の強圧・末梢低周波刺激などの動物催眠誘起の操作を行い, 動物催眠脳波の特性を検した.その結果374例の仰臥位による深部脳波の変化は, 覚醒時の脳波と比べるとθ・α成分共に減少したのが67.4%, θ成分のみの減少21.9%, α成分のみの減少が6.4%であった.<BR>2) 耳の基部の圧迫28例, 末梢の低周波刺激12例について検した結果もほぼ仰臥位と同じような比率でθ・α成分の変化がみられた.<BR>3) 仰臥位による動物催眠374例のうち66.7%に動物催眠の後期にδ成分の増大がみられた.<BR>4) 仰臥位にした動物催眠中, 音・光などの外来刺激をδ成分の増大が出現した時に与えると, 増大したδ成分のみ消失し, θ・α成分には影響がみられなかった.5) 自発性にδ成分が増大した時は, θ・α成分の変動を伴う.増大したδ成分が消失した時に, θ・α成分の変動も消失した.<BR>6) 鎮静薬, 催眠薬, chlorpromazine, phenobarbita1投与後δ, θ, α各成分は変動するが, 脳波成分がどのように変動しても, 仰臥位にするとその時のθ・δ成分は投薬前の仰臥位にした時のθ・δ成分とほぼ同じ値を示すことが6匹56例において検した結果から明らかになった.これらの値は正常時を100とすると, それぞれ103.75±2.59, 98.78±3.52であった.<BR>7) 以上の結果から動物催眠脳波の特性はθ・α成分の減少であり, 動物催眠は薬物投与による睡眠様状態とは異なった神経機序によって誘起されることが推論された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ