気管支喘息の既往がないアレルギー性気管支肺アスペルギルス症の1例

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  • A CASE OF ALLERGIC BRONCHOPULMONARY ASPERGILLOSIS WITHOUT A HISTORY OF BRONCHIAL ASTHMA

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抄録

症例は, 57歳の男性.主訴は, 乾性咳噺, 呼吸困難, 微熱.気管支喘息及び他のアレルギー疾患の既往はなかった.胸部X線写真で両側中下肺野に浸潤影を認め, 精査及び加療の目的で当科へ入院した.入院後の検査では, 末梢血好酸球とIgE (RIST) の増加が認められ, アスペルギルスに対するIgE (RAST) と皮内テストは陽性を示した.胸部CTでは, 中心性気管支拡張及びmucoid impactionを認め, 気管支洗浄液の培養にてAspergillus fumigatusが確認された.入院約2カ月前に茶褐色の粘液栓子を喀出したこともあり, 臨床的にアレルギー性気管支肺アスペルギルス症 (ABPA) と診断し, 経ロプレドニゾロン (PSL) 30mg/dayより治療を開始し, 臨床症状はすみやかに改善した.本症例は, 気管支喘息の既往がないアレルギー性気管支肺アスペルギルス症と考えられた.

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