人工股関節全置換術 (THR) の検討

書誌事項

タイトル別名
  • STUDIES OF TOTAL HIP REPLACEMENT (THR)
  • 人工股関節全置換術(THR)の検討-2-光弾性学的・形態学的研究
  • ジンコウ コカンセツ ゼン チカンジュツ THR ノ ケントウ 2 コウダンセ
  • Part II: Photoelastic and Morphological Studies
  • 第2編 光弾性学的・形態学的研究

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抄録

人工股関節全置換術 (THR) 施行後の合併症をいかに最小限にすることができるかを究明するため, DAP板とEpoxy板を用い股関節部モデルを作製し, 二次元光弾性実験を行ない, また屍体骨盤より腸骨の前額面と矢状面の切片を作り軟X線装置にて骨梁を調べ, 力学的, 構築学的検討をし次の結果をえた.1) 寛骨臼部における応力集中位置は, 股関節の内, 外転および頸体角が変化してもほぼ同じ位置にある.これは躯幹が如何なる状態でも寛骨臼部の荷重位置に変化がないことであり, socketの摩耗部は限局されるものと考える.2) 股関節外転筋が作用すれば股関節応力は増加し, 応力は仙腸関節下部に向う.3) 寛骨臼部の骨梁構造は, 外転筋非作用群と作用群の合体した主応力線図とよく一致することから, 骨梁は主応力によって生じるという主応力説に賛同する.4) 寛骨臼部の主荷重部は, 前額面で寛骨臼窩から外側縁まで, 矢状面で前・中・後に分け, 中1/3であると考えられ, その部の軟骨下骨組織は密であった.骨梁構造に強く影響を及ぼしている要因として前額面では, 股関節の内, 外転の動きよりも, 圧迫が主であり, 矢状面では圧迫よりも, 股関節の屈曲, 伸展運動が主であると考えられた.5) Stemの轡曲の強い人工骨頭の股内反位挿入はstemの疲労折損を招く結果となる.Prosthesisを股外反位に挿入することが折損の予防対策の一つであり, 今後セメントを含めたstemの形態からの研究が残されている.6) 挿入される臼蓋, 骨頭は, 生力学的に形成された骨梁に対して適合された位置に置換されることが支持性の改善を得, 100seningの発生を少なくするものと考える.

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