不整脈の発現に及ぼす止息負荷, 水中浸漬及び潜水泳の影響

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タイトル別名
  • THE INFLUENCE OF BREATH HOLDING MANEUVERS, BODY WATER IMMERSION AND UNDERWATER SWIMMING ON THE INCIDENCE OF CARDIAC ARRHYTHMIAS

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抄録

健康な成人男女14名を対象に, BHA, AFI, HOWI, WBWI及びUS (使用水温は300℃) の不整脈の発現へ及ぼす影響とUS時におけるECG応答の再現性並びに血中成分へ及ぼす影響について検討した.結果は以下の様に要約できる.<BR>1.静止負荷における%HRは, AFI時及び水中浸漬時の間で著差はなく, AFI (呼息位) からWBWI時の徐脈反応の程度を予測することが可能と思われた.また, AFI時で徐脈化傾向の大きい者ほど, US中あるいはその回復時に不整脈は発現しやすかった.さらにAFI時で不整脈発現の認められる者は, WBWI時とUS時に発現しやすい傾向が認められた.これらは, 顔面浸水試験の有用性を支持するものであろう.<BR>2.US中のHRは, 自律神経系の変動や胸腔内圧の上昇等が主要因で凸字型の反応パターンを繰り返し, 不整脈発現の有無の高い一致性も含めて, USのECGへ及ぼす影響にはある程度の再現性を有すると思われた.<BR>3.静止負荷で発現した不整脈の多くはSA, AVJEB及びAVJR等の徐脈性であり, HOWI時には2。AVB Wenckebach型の発現例までみられた.一方USでは徐脈性と頻脈性 (SVPC, VPC等) 及び両者の混合型がみらた.これらの結果と血中電解質や乳酸の特異的変動結果から, 潜水中の不整脈発現には, 両自律神経の非相反的緊張や血中成分の変動を始めとした多要因の, 同時的並びに相互作用的な関与が推察された.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 45 (1), 159-169, 1996

    一般社団法人日本体力医学会

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