CT画像からの3次元心肺ボリューム比計測の自動化

DOI
  • 安倍 和弥
    神奈川工科大学大学院工学研究科電気電子工学専攻
  • 武尾 英哉
    神奈川工科大学大学院工学研究科電気電子工学専攻
  • 永井 優一
    独立行政法人国立がん研究センター中央病院

書誌事項

タイトル別名
  • Automation of CT-Based Measurement of 3-Dimensional Cardiothoracic Volumetric Ratio

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抄録

近年,心拡大患者は増加傾向にある.心拡大は,心筋の収縮力が低下し,心内腔が拡大して心臓が大きくなる病態である.心拡大は,虚血性心疾患や拡張性心筋症などの終末的な病態で顕著となり,早期の検出が治療において必要となる.従来の単純X線画像を用いた手法は,画像に直接定規を当て心臓と肺の幅の比から病状を判断する手法で,撮影時の状況によって結果に大きな差が出る不正確な診断方法であった.本研究では,CT画像を用いて心臓と肺野の体積抽出を行い,その体積比(心肺ボリューム比と呼ぶ)から心拡大を判定する手法を提案する.心臓,肺ともに抽出の基準となるシード点を設定し,ラベリング処理,モフォロジー処理の順に処理を行い各臓器の領域抽出を行った.この手法の有用性を評価するために,心拡大と判断されている症例 3例を含む未知データ8例の画像に適用した.その結果,心拡大患者3例において心肺ボリューム比の平均が32%であるのに対し,他の5例での平均が15%と明確な差異が出るという結果が得られ,この手法による心拡大検出の可能性が示唆できた.

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