化学放射線療法後,体外循環下にサルベージ手術を施行した局所進行扁平上皮肺癌の1例

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タイトル別名
  • Successful Salvage Surgery of a Locally Recurrent Squamous Cell Lung Cancer Under Cardiopulmonary Bypass After Effective Chemoradiation

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抄録

背景.非小細胞肺癌に対するサルベージ手術の意義は明らかではない.今回我々は化学放射線療法施行2年半後にサルベージ手術を行った局所進行扁平上皮肺癌の1例を経験したので報告する.症例.58歳,男性.2002年7月咳嗽を主訴に前医を受診し,精査にて左肺扁平上皮癌(左上幹原発,cT2aN3M0,stage IIIB)と診断した.2002年10月より放射線治療(計60 Gy)およびカルボプラチンおよびパクリタキセルによる全身化学療法を6コース施行し,partial response(以下,PR)が得られた.2005年3月,腫瘍は再増大したため,ジェムシタビンとビノレルビンによる2nd lineの全身化学療法を施行中に約400 mlの喀血を来した.胸部造影CTにて左肺動脈に隣接する腫瘍の内部は空洞化していた.致命的な喀血の回避が予後を改善し得ると考え,2006年1月,体外循環下に肺動脈形成を伴う左肺全摘術を施行した.重篤な術後合併症は認めず,術後5年以上が経過し無再発生存中である.結論.本症例では,長期生存が得られ,サルベージ手術の意義を認めたと考えられた.<br>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 52 (3), 300-304, 2012

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (4)*注記

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