エルロチニブが著効し完全奏効が継続しているEGFR遺伝子変異陰性再発肺腺癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of EGFR-wild-type Adenocarcinoma of Recurrent Non-small Cell Lung Cancer Responding to Erlotinib

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抄録

背景.上皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)はEGFR遺伝子変異陽性症例で効果が高いとされているが,エルロチニブはEGFR遺伝子変異陰性例においても有効性が示されている.EGFR遺伝子変異陰性肺腺癌に対してエルロチニブが奏効しエルロチニブ中止後も長期cCRを得たという報告は認めない.症例.81歳,男性.EGFR遺伝子変異陰性肺腺癌,病理病期I期の術後再発症例である.各種抗癌剤治療を行うもcPDとなりエルロチニブを開始した.内服1年後には画像上転移巣は消失しcCRとなった.有害事象により減量,中止をしたが,腫瘍の再燃なく2年6か月間無再発生存中である.結論.エルロチニブはEGFR遺伝子変異陰性腺癌症例に有効である場合もあり,休薬後も長期cCRを維持する場合があることが示唆された.<br>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 52 (3), 315-319, 2012

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (9)*注記

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