脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血後の言語性記憶の特徴

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タイトル別名
  • Characteristics of Verbal Memory after Subarachnoid Hemorrhage caused by Ruptured Aneurysm
  • ノウ ドウミャクリュウ ハレツ ニ ヨル ク モ マク カ シュッケツ ゴ ノ ゲンゴセイ キオク ノ トクチョウ

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抄録

目的:脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血術後の記憶障害の詳細を明らかにするため,破裂部位や重症度の違いによる聴覚的言語性記憶検査の成績を健常群と比較した.方法:くも膜下出血の術後患者45 名(前大脳動脈系14 名,中大脳動脈系12 名,椎骨動脈系7 名,内頸動脈系12 名)に対し,Auditory verbal learning test(AVLT)を行い,記憶の指標を算出し,学習曲線を比較した.結果:短期記憶や全即時記憶,再認に差はなかったが,前大脳動脈系では言語学習能力,椎骨動脈系では逆向性干渉効果で健常群と差を認め,学習後半での学習曲線の平坦化がみられた.AVLTの成績とくも膜下出血の重症度には有意な関連はなかった.結論:前大脳動脈系や椎骨脳底動脈系の破裂動脈瘤後は,記憶に問題を生じやすく,記憶障害の質や重症度を詳細に評価する必要があるものと思われた.

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参考文献 (12)*注記

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