Egg™ Trapで捕獲されたアライグマを回収するための誘導型捕獲箱の開発

DOI
  • 阿部 豪
    北海道大学大学院文学研究科地域システム科学講座(現所属:兵庫県立大学自然・環境科学研究所/兵庫県森林動物研究センター)
  • 三好 英勝
    財団法人北海道森林整備公社
  • 佐鹿 万里子
    岐阜大学大学院連合獣医学研究科臨床獣医学講座(現所属:北海道大学大学院獣医学研究科野生動物学教室)
  • 中井 真理子
    北海道大学大学院文学研究科地域システム科学講座
  • 島田 健一郎
    北海道大学大学院文学研究科地域システム科学講座
  • 上田 一徳
    北海道環境生活部環境局自然環境課(現所属:北海道環境生活部環境局環境推進課)
  • 富樫 崇
    北海道環境生活部環境局自然環境課(現所属:内閣官房アイヌ総合政策室)
  • 池田 透
    北海道大学大学院文学研究科地域システム科学講座
  • 立澤 史郎
    北海道大学大学院文学研究科地域システム科学講座
  • 室山 泰之
    兵庫県立大学自然・環境科学研究所/兵庫県森林動物研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Procedure for handling raccoons trapped by the Egg Trap™

抄録

エッグトラップはアライグマ捕獲に有効な罠だが,保定・回収の際に作業従事者が攻撃を受ける,アライグマにストレスがかかるなどの問題点も指摘されている.そこで本研究では,エッグトラップで捕獲されたアライグマが自発的に回収箱に潜り込むように,内部を暗くした専用の誘導型回収箱を設計し,捕獲個体を円滑にかつ安全に回収する方法を開発した.本研究では,市販の容器に黒の塗料を塗布したタイプAと,北海道で最も普及率の高い箱罠に黒の覆いをかけて内部を暗くしたタイプBの2種類の回収箱を製作し,エッグトラップで捕獲されたアライグマ60頭(オス24頭,妊娠メス8頭,非妊娠メス28頭)の回収を試みた.試験では,タイプAで8頭,タイプBで52頭の回収を行ったが,捕獲個体が極端に興奮するなどの理由により回収に時間がかかった3例をのぞき,すべて60秒以内に回収することができた.60秒以内に回収できた57個体の平均回収時間(±SD)は,14.5(±11.1)秒で,回収箱のタイプや保定状況,性別による回収時間に差は見られず,この方法が多様な対象や捕獲状況に適用可能であることが示唆された.回収箱の大きさや材質などによって回収時間に差が見られなかったことから,誘導型回収箱に必要な要件は,アライグマが身を隠すのに十分な広さと暗い空間である可能性が示唆された.また,既存の箱罠に覆いをかけただけの簡易な回収箱でも十分機能することが明らかとなり,回収した個体の処分について,通常の箱罠捕獲と同様の対応が可能なことが示された.<br>

収録刊行物

  • 哺乳類科学

    哺乳類科学 51 (2), 257-263, 2011

    日本哺乳類学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204723173376
  • NII論文ID
    130002082673
  • DOI
    10.11238/mammalianscience.51.257
  • ISSN
    1881526X
    0385437X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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