胸腔鏡下乳糜漏出部直接閉鎖術を施行したリンパ脈管筋腫症に生じた乳糜胸の1例

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タイトル別名
  • Chylothorax caused by lymphangioleiomyomatosis (LAM) treated with direct thoracoscopic suturing of the chylous flow point: A case report

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抄録

症例は48歳,女性.腹痛と悪寒にて近医を受診し,左胸水と腹腔内腫瘤を指摘され,精査目的にて当院紹介受診となった.胸腹部CTにて両肺のびまん性薄壁嚢胞像と左胸水,および腹腔内リンパ節の腫大を認めた.胸腔穿刺にて乳糜胸水を認め,リンパ脈管筋腫症に伴う乳糜胸が疑われた.乳糜胸は保存的治療が無効であったため,手術を施行した.術前にオリーブオイルを混入した牛乳を服用させ,乳糜漏出部の縫合閉鎖と肺生検,およびタルクによる胸膜癒着術を施行した.乳糜流出は手術直後より消失した.切除標本の病理組織学検索にてリンパ脈管筋腫症と診断された.本疾患による乳糜胸が生じ手術を考慮する場合,安易に右胸腔より横隔膜直上で胸管本管を結紮するのではなく,乳糜貯留側からのアプローチを試みるべきであると思われた.

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