頚部膿瘍を契機に発症した降下性壊死性縦隔炎の一例

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タイトル別名
  • A case of descending necrotizing mediastinitis secondary to a neck abscess

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抄録

症例は77歳男性.咽頭痛,嚥下困難を自覚し,徐々に経口摂取不能となったため近医を受診した.抗生物質を投与されたが症状改善せず,当院耳鼻科を紹介受診し頚部膿瘍の診断で緊急入院となった.入院後の胸部CTで縦隔膿瘍を認めたため当科に紹介され,降下性壊死性縦隔炎と診断し,転科翌日に手術を行った.手術は胸腔鏡補助下右経胸腔縦隔ドレナージを施行した.第1病日から胸腔,縦隔の洗浄を行い,第7病日にドレーンを抜去した.第12病日CTで膿瘍腔は縮小し,縦隔炎の改善を確認した.第24病日に軽快退院となった.降下性壊死性縦隔炎は頚部の膿瘍が筋膜間隙に沿って縦隔へ至る重篤な感染症であり,本疾患を疑ったら早期のCT検査並びに,早期の壊死組織の除去,洗浄,ドレナージを行うことが肝要である.

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参考文献 (11)*注記

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