hCG産生肺多形癌の一例

• 伴 秀利

  神戸マリナーズ厚生会病院　呼吸器科

• 安光 勉

  エスペラル井高野

• 梁 徳淳

  医誠会病院　健康増進センター

書誌事項

タイトル別名

• A case of hCG-producing pulmonary pleomorphic carcinoma

抄録

症例は76歳男性．血痰を主訴に受診し画像診断にて左上葉に腫瘤を認めた．精査にて確定診断に至らなかったが，画像上急激に増大したため肺癌を強く疑い切除術を施行した．病理診断は低分化腺癌を主体とした多形癌で病期はpT2N0M0のため，UFT内服による化学療法を追加した．しかし，術後3ヵ月で縦隔再発を来たし，切除および50 Gyの放射線治療を行い，その後CBDCA＋PTXによる化学療法を3クール施行した．初回手術後16ヵ月目に，上行結腸および肝臓に腫瘍を認め，結腸癌とその肝転移として結腸切除および肝生検を施行したが，肺癌の組織像に類似し，免疫染色により既往肺癌の組織共々hCG陽性であることが判明し，肺多形癌の転移再発と診断した．その3ヵ月後に胃壁の転移病巣からの出血により死亡した．hCG産生肺多形癌は稀な予後不良の疾患であり，術前診断と補助療法の確立が望まれる．

収録刊行物

• 日本呼吸器外科学会雑誌

  日本呼吸器外科学会雑誌 26 (2), 208-213, 2012

  特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会

キーワード

• hCG
• 肺多形癌

詳細情報

• CRID: 1390282679338366848
• NII論文ID: 130002114718
• NII論文ID: 10030125720
• NII書誌ID: AN10467885
• DOI: 10.2995/jacsurg.26.208
• ISSN: 18814158
• ISSN: 09190945
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2012193864
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可